日本の司法は無力なのか
現地10日午後、三浦和義氏は収容されていた市警本部の留置場の独房の中で首をつり死亡したという。それまでの様子から、一部には密室殺人と推測する向きもある。
私たちにその真実を知るすべはない。ただ、いずれであろうが、この件で考えるべきは、「アメリカの司法の前に日本の司法は無力なのか」ということである。だってそうだろう。日本で無罪になった人が、なぜまた外国で蒸し返されて逮捕されるのか。
「(三浦元社長は)こうかつで、その半面、気が小さい。アメリカの法律における共謀罪で裁かれなかったのが非常に残念」(TBS Newsiで警視庁捜査一課・大峯泰広元理事官)という。
警視庁が、日本人が日本において日本の法律で裁かれることを前提としないコメントを出せることが私には理解できない。いったい自分たちはどこの国の警察官なのか。自分たちは何を拠り所に逮捕しているのか。
しかも、「ロス疑惑」からどれだけ時間が経っているのか。今回三浦元社長の取り調べに有効とされたのは、我が国でも問題になっている「共謀罪」である。
つまり、今回かびのはえた事件をわざわざ持ち出して「共謀罪」での逮捕取り調べを行うことからは、アメリカによって我が国の共謀罪適用の地ならしを行ったと見ることもできる。となれば、それはもう三浦元社長個人の問題には留まらない。何でもアメリカからの上意下達という属国的体制が問われているのだ。
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