芸能考房

青函連絡船沈没事故を題材

映画「飢餓海峡」(1965年・東映)を見た。 かつて本州と北海道を結んでいた青函連絡船。その沈没事故を題材にした水上勉の推理小説が原作である。
どちらかといえば、わかりやすくスケールの大きいアメリカ映画のほうが好きなのだが、それは面白い邦画を観たことがなかったからだと気づかせてくれた映画だ。3時間という長さにもかかわらず、最後までダレることなく興味を持って観ることができた。

原作を知らない私にとって、ラストシーンは意外なものだった。
あとから聞いたところによると、この結末は原作にもないものらしい。三国連太郎演じる主人公の樽見が、強盗殺人放火犯なのか、そしてその共犯者をも殺害したのかどうかは最後までわからずじまいである。


しかし、すべてを明らかにしないこのラストによって、観る人それぞれに考えさせる映画になったとは言えないだろうか。

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