『赤い絆(レッド・センセーション)』は、山口百恵20枚目のシングル。自らが主演したTBS系ドラマ『赤い絆』の主題歌である。山口百恵にとっては最後の「赤」がつくドラマだった。今回は歌もドラマも大ヒットというわけには行かなかった。ただ、従来の顔ぶれから離れて独り立ちした作品として、山口百恵の芸能生活にとっては大切な作品だった。
作詞を松本隆、作曲を平尾昌晃、編曲を川口真が担当した。松本隆はロックバンド・はっぴいえんどでドラムを担当。シングル総売上枚数が作詞家歴代で阿久悠に次いで2位(オリコン)という、現代歌謡曲作詞の大家である。
作曲の平尾昌晃も60年代から活躍してきた有名作曲家である。「花の中三トリオ」時代から曲は提供してもらっている。だが、セールスの方は20万枚、オリコン5位止まりで、当時の彼女にしては平凡なものに終わった。
後半の彼女の歌がヒットするかどうかは、決め台詞の存在も大きかったのではないだろうか。「あなたに女の子との一番大切なものを上げるわ」とか、「これっきり、これっきり、もう…これっきりですか」「バカにしないでよ」といったフレーズが受けてきた。
が、この歌のりフレイン部分は「レッドセンセーション」。横文字のインパクトも弱い気がする。
『赤い絆(レッド・センセーション)』(1977.12.21)
赤い絆/口約束
作詞者 松本隆
作曲・編曲者 平尾昌晃(編曲:川口真)
CBS・ソニー
この歌はタイトル通り、「赤い」シリーズの第6弾である『赤い絆』の主題歌である。生みの母が娼婦で養父母の家を出た山口百恵演じる女性は、荒んだ生活の中で外務省で働くエリートと愛し合うようになる。
しかし、相手には婚約者があり、しかも実母が後妻として嫁いだ男の娘・真砂子だった、といういつも以上に入り組んだ展開である。宇津井健も三浦友和も出演せず、相手役は国広富之だった。
モモトモの話題性や、常連の宇津井健も出演せず、おなじみのメンバーで出演しているのは石立鉄男だけでは、ちょっとドラマとしては馴染みにくい面があったかもしれない。
この作品を以て、山口百恵は「赤い」シリーズから離れることになる。
リアルな人生と役柄の暗さを視聴者に重ねてもらうような作り方について、「途中で彼女自身がもう『赤』は嫌だ、少なくとも『赤』という題名だけでも変えてくれてという強い要望があった」(『アイドル工学』)という。
映画の方が脱アイドル、脱リメイク路線にシフトする時であり、彼女もここが潮時と思ったのかもしれない。
隔週刊 山口百恵「赤いシリーズ」DVDマガジン 2014年 3/11号 [分冊百科]
- 作者:
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/02/25
- メディア: 雑誌
コメント
『赤い絆』
>歌もドラマも大ヒットというわけには行かなかった
歌もドラマも両方ともは、の意味でしょうか?
赤いシリーズで最高の平均視聴率なのに・・・