石原裕次郎さん(1934年12月28日~1987年7月17日)は俳優として歌手としても成功を収めたロマンや情念をシンプルに表現する映画人

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石原裕次郎さん(1934年12月28日~1987年7月17日)は俳優として歌手としても成功を収めたロマンや情念をシンプルに表現する映画人

7月17日は、石原裕次郎さん(1934年12月28日~1987年7月17日)の命日です。俳優として知られ、歌手としても成功を収めました。映画人として、ロマンや情念をシンプルに、そして何の遠慮もなくダイナミックに力いっぱい表現するクリエイターでもありました。

若い頃の石原裕次郎は、作家である兄・石原慎太郎の才能にコンプレックスを抱いていました。

大学は慶應義塾大学ですが、超難関の(付属)普通部はデキが悪く不合格。

当時まだあった付属の農業高校から編入しました。

大学に入っても遊び呆けていた劣等生で、俳優になりたくて、東宝と大映、日活のオーディションを受けるも全て不合格ででした。

それが、兄の推薦(要するにコネ)により映画界に入り、『狂った果実』で主演デビューしました。

俳優・石原裕次郎は、端役の俳優に対してもきちんと挨拶ができる人と言われていましたが、自身が俳優としては台詞覚えが悪くて有名で、そのコンプレックスから、「みんなに迷惑をかけているから」という思いに繋がったのだろうと思われます。

こうしてみると、人間は、劣等生経験やコンプレックスというのも、人格形成にプラスにはたらくものなのかもしれませんね。

石原裕次郎は、歌手としても成功を収めました。

名曲『銀座の恋の物語』など、数々のヒット曲があります。

「石原軍団」として、多くの俳優たちを率いていましたが、特に渡哲也との絆は有名で、今でも語り継がれています。

Copilotは、石原裕次郎さんの代表作を3作品挙げています。

1. 「勝利者」 (1958年)
– 井上梅次監督・石原裕次郎コンビ初作品で、情熱と愛の力勝負を描いた作品です。
2. 「鷲と鷹」 (1960年)
– 日本初の船上で撮影された作品で、男女の三角関係と復讐をアクション満載に描いています。
3. 「嵐を呼ぶ男」 (1957年)
– 石原裕次郎のスター性を確立した作品で、彼の代表作の一つです。

私が少年の頃は、もうテレビの方に来ていたのですが、石原裕次郎さんは、俳優であるとともに、石原プロの社長として、テレビドラマの制作も手掛けていました。

『太陽にほえろ』(1972年7月21日~1986年11月14日)は俳優としての出演、『大都会』(1976年1月6日~1979年9月11日)は、『闘いの日々』『大都会 PARTII』『大都会 PARTIII』など3シリーズにわたって制作兼出演。

『西部警察』(1979年10月14日~1984年10月22日)も、3シリーズ、制作兼出演者として名を連ねています。

今もネットで、語りぐさになっているのが、『西部警察』におけるリアル広島市電爆破。


どうせドラマだから、寸前で事件解決するか、何かやったとしても、特撮で処理だろうと高をくくっていたら、ほんとにヤっちまいました。

浜名湖の遊覧船もヤりましたね。


テレビ界お得意のホームドラマでは絶対にできない、エンターテインメントを展開しました。

でも、こういう派手な作品だけでなく、中身で見せる作品もたくさんのこしているのです。

黒部の太陽

黒部の太陽

黒部の太陽(1968年、三船プロ、石原プロ、日活)は、石原裕次郎さんの27回忌メモリアルとしてDVD化されました。

日活の看板俳優だった石原裕次郎が、自分の作りたい映画を実現するために1962年に作った石原プロの、悲願であり原点でもある作品です。当時まだあった、5社協定の壁をぶち破って実現しました。

ストーリーはとくに込み入ったところはありません。

関西電力が黒部川に『黒部第四発電所』を建設することを決定。技師とトンネル野郎たちが、命を懸けてトンネルを掘るという話です。技師役には三船敏郎、土建屋の長男を石原裕次郎が演じています。

テレビ世代の私ですが、映画に対しても畏敬の念が少しはあるらしく、この2大スターが全力投球した作品というだけでもう胸がいっぱいになります。

石原裕次郎の作品は、とにかくロマンとか情念をシンプルに、そして何の遠慮もなくダイナミックに力いっぱい表現することに尽きます。

大都会 闘いの日々

大都会
DVDより

大都会 闘いの日々(1976年1月6日~8月3日、石原プロモーション/日本テレビ)は、前年に肋膜炎で2度倒れた渡哲也の主演復帰第一作。刑事&新聞記者のドラマです。

石原裕次郎、宍戸錠、高品格など日活時代の先輩が共演しています。

東洋新聞記者の滝川(石原裕次郎)は、仲間から博打好きの“バクさん”と呼ばれることを喜ぶグータラキャップ。

石原裕次郎
『大都会 闘いの日々』より

いつも、他社の記者クラブ詰めの人と誘い合い、石原裕次郎と寺尾聡(東洋新聞)、宍戸錠(毎朝新聞)、柳生博(タイムス社)で雀卓を囲みます。

ほんと、毎週麻雀大会です。

一本気な新人記者の神田正輝にその理由を問われると、「人を傷つける記事を書かないようにするため」というものでした。

マスコミの事件報道は、被害者のデリケートな事情も構わずに書きまくるので、その点に憤り、センセーショナリズムと覗き見、横並びという大手マスコミの体質そのものを批判。

石原裕次郎記者は、上層部とはいつも対立しています。

黒岩刑事(渡哲也)は地方署の暴力犯係だったとき、妹(仁科明子、現仁科亜季子)が暴力団に報復の強姦事件にあい、他県勤務で冷却期間を置いた後、深町課長(佐藤慶)の要請で、警視庁捜査第四課(暴力団事件担当)に勤務します。

そこから城西警察署暴力犯係に派遣され、古くからの知り合いだった石原裕次郎記者と再会。以来裕次郎は、黒岩を気にかけ陰ながら見守ります。

黒岩は、暴力団絡みの事件で、妹と同じ目にあったバーのホステス・直子(篠ヒロコ、現篠ひろ子)と知り合い、お互いどこなく惹かれ合っています。

ドラマは、関西暴力団・潮会が城西署管轄に進出してきたことで暴力団壊滅作戦を展開。

一般市民を巻き込む抗争に発展するなど、かなりシビアなストーリーが毎回展開されます。

このドラマ、子供の頃観ていましたが、他の刑事ドラマとは雰囲気が違うことを感じていました。

ひとつは、他の刑事ドラマのような“刑事と犯人の対決”だけでなく、そこに新聞記者が絡み、犯罪報道とは何だろう、社会正義とは何だろう、ということを考えさせるより高次な作り方になっていること。

もうひとつは、犯人が組織的犯罪、簡単に書くと暴力団関連事件の非業を描いていることです。

刑事ドラマは当時からたくさんありましたが、個別に何々組若衆が逮捕されることはあっても、特定の暴力団組織をドラマを通して一貫した敵として位置づけたものはありませんでした。

過去にも『黒部の太陽』という、リアリティのある作品を作り上げた石原プロモーションらしい力作だと思います。

さらに、脚本の倉本聰がよかった。

ただ、視聴率はあまり振るわなかったそうですね。

そのため、その後作られた「PARTII」や「PARTIII」は、『西部警察』のプロトタイプのような、ハードアクションと、派手な拳銃の打ち合い、単純な勧善懲悪の路線に変わってしまいました。

当時はそれでがっかりしてしまい、「PARTII」や「PARTIII」はほとんど観ていないし記憶にも残っていません。

ただ、以前書いたように、『西部警察』も今観直してみると面白いので、いずれ機会を見て、「PARTII」や「PARTIII」も観たいと思っています。

石原裕次郎さんの作品は、覚えておられますか。

黒部の太陽 - 三船敏郎, 石原裕次郎, 樫山文枝, 高峰三枝子, 宇野重吉, 芦田伸介, 加藤武, 二谷英明, 岡田英次, 大滝秀治, 熊井啓, 三船敏郎, 石原裕次郎, 熊井啓, 井手雅人
黒部の太陽 – 三船敏郎, 石原裕次郎, 樫山文枝, 高峰三枝子, 宇野重吉, 芦田伸介, 加藤武, 二谷英明, 岡田英次, 大滝秀治, 熊井啓, 三船敏郎, 石原裕次郎, 熊井啓, 井手雅人
大都会 闘いの日々 SUPER BOOK - 石原プロモーション
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