姉妹漫才トリオ「かしまし娘」の次女、正司照枝さん(しょうじてるえ 1933年3月15日~2024年7月8日)の訃報が出て話題になっています。8日午後6時頃、急性心臓死のため大阪府の自宅で亡くなったそうです。91歳。1月に長女の歌江さんが亡くなったばかりでした。
正司照枝さんは、1933年3月15日に北海道小樽市で生まれました。
彼女は、姉の歌江さんと妹の花江さんと共に、1956年に漫才トリオ「かしまし娘」を結成しました。
かしまし娘は、流行歌や浪曲を取り入れた音曲漫才で人気を博し、老若男女を問わず全国的に親しまれました。
正司照枝さんは、ギターや三味線を弾きながら、楽しい歌声で観客を楽しませました。
正司照枝さんは1981~1987年に松竹新喜劇にも参加し、女優としても活動しました。
今年1月に長女の歌江さんが94歳で亡くなった際、照枝さんは「これでおしまい かしまし娘~♪ です。穏やかな最期だったようですが、いまはただ悲しい」とコメントしていました。
正司照枝さんは、日本のエンターテインメント界で長い間愛されてきた素晴らしい人物でした。
つかみのテーマソングが懐かしい
かしまし娘が活躍したのは1970年代でしたので、すでに50代以上の方でないとリアルをご存じないと思います。
かしまし娘というのは、正司歌江、正司照枝(本名は照江)、正司花江の3姉妹による、ギターと三味線を弾いたトリオ音曲漫才。
真ん中に長姉の歌江が三味線を持ち、向かって左はリズムギターの次女・照枝、右はリードギターの三女・花江。
かしまし娘は、流行歌や浪曲を弾きながらネタを喋り、声の太い照枝さんがスラップスティックな笑いの役で、「歌江姉ちゃんかて言ったやないの」と身振り手振りで興奮して笑いを取り、最後はまた3人の演奏で下げるという、完成度の高い芸でした。合掌 https://t.co/Tgq1aP3bSZ #かしまし娘 #正司照枝 pic.twitter.com/OyrY9az8zq
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流行歌や浪曲を弾きながらネタを喋り、声の太い照枝さんがスラップスティックな笑いの役で、なにかボケたあと、「歌江姉ちゃんかて言ったやないの」と身振り手振りで興奮して笑いを取り、最後はまた3人の演奏で下げるという、完成度の高い芸でした。
【訃報】正司照枝さん死去に「かしまし娘」正司花江さんが惜別「今もまだ隣にいるような気がします」【事務所コメント全文】(TBS NEWS DIG Powered by JNN)#Yahooニュース
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昔、とんねるずの木梨憲武が真似していましたね。
正司照枝さん死去「かしまし娘」次女 女性トリオ先駆者 女優でも活躍 朝ドラ、「陸王」「罪の声」… https://t.co/gRBXxl8x1k pic.twitter.com/Z4f8ZfchSd
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かしまし娘というと、ネタの前に、まず最初に3人が歌うテーマソングがあります。
その歌詞こそ、かしまし娘の芸を歌っています。
うちら陽気なかしまし娘
誰が言ったか知らないが
女3人寄ったら
かしましいとは愉快だね
お笑い、おしゃべり、ミュージック
明るく歌って、ナイト・アンド・デイ
ピーチクパーチク、かしましい
演奏力、歌唱力、話術、そして姉妹ならではの間など、当時はわかりませんでしたが、今思うとどれをとっても素晴らしかった。
女性のお笑いはその後もたくさん出てきましたが、これだけ完成した人たちはいないのではないでしょうか。
しかし、だからこそ、その名を惜しんだのか、かしまし娘としては別に喧嘩別れしたわけでもないのに、25周年(1956年~1981年)で解散。
その後は、それぞれ単独で芸能活動を続けました。
喜劇駅前満貫
そんな、かしまし娘が全盛の頃、映画に出演しています。
タイトルは、『喜劇駅前満貫』(1967年、東京映画/東宝)です。
「喜劇 駅前満貫」(1967)
駅前シリーズは、ミーハーというか、スターをゲストで結構出しますね。今回は都はるみ、かしまし娘。
出演はないが、当時大ヒットした、加山雄三の「君といつまでも」のセリフをフランキー堺が言うシーンも。
内容で印象的だったのは三木のり平が珍しく遊び人の役という。 pic.twitter.com/goYOqpBKMP
— こづどう (@openmywindow) February 7, 2019
このブログでも何度がご紹介したことがある、喜劇駅前シリーズ(全24作)の第18作目です。
本作は恵比寿駅(山手線)近辺の満貫荘という雀荘と、商店街を舞台にした様々な出来事をまとめています。
かしまし娘は、キャバレーのホステス役です。
横山道代ママにハッパをかけられ、金持ちの伴淳三郎をおだてて酒を沢山飲ませます。
喜劇駅前シリーズは、森繁久彌、伴淳三郎、フランキー堺の3人を中心に、三木のり平、淡島千景、池内淳子、萬屋錦之介と結婚する前の淡路恵子、セミレギュラーに乙羽信子、大空真弓、野川由美子、森光子、京塚昌子、松山英太郎など、映画衰退後もそっくりテレビに移り、むしろテレビでは映画時代以上の隆盛を極めた方々が出演しています。
シリーズの第一作目は、井伏鱒二の小説を原作とした『駅前旅館』(1958年)、以後も、豊田四郎や久松静児といった文芸映画の監督がメガホンを取る格調高い社会派作品でしたが、方針がいつの間にかかわり、タイトルの前に「喜劇」とつき、市井の人々の生活における、たわいない諧謔を表現するホームドラマ的な作り方になりました。
ただ、その時々の話題をストーリーに採り入れ、注目されている人を積極的に出演させる「新鮮さ」は一貫して守られ、たとえば『喜劇駅前飯店』の王貞治や、『喜劇駅前茶釜』のジャイアント馬場などが、特別出演ではなく、セリフのたくさんあるストーリー展開上重要な役にキャスティングされていました。
そうしたコンセプトの中で、かしまし娘が出演しているということは、いかにかしまし娘が当時のトレンドだったかということです。
正司照枝さんの生前のご遺徳をお偲び申し上げます。合掌
以上、姉妹漫才トリオ「かしまし娘」の次女、正司照枝さん(しょうじてるえ 1933年3月15日~2024年7月8日)の訃報が出て話題に、でした。
以上、かしまし娘は流行歌や浪曲を弾きながらネタを喋り、照枝さんがスラップスティックな身振り手振りで笑いを取り最後は演奏で下げる芸、でした。
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