『窓』は、桜田淳子37枚目のシングルになる。桜田淳子は38枚のシングルをリリースしているが、チャートインしたのは前作の『ミステイー』までで、「花の中三トリオ」としてデビューした歌手・桜田淳子としては事実上それがファイナル曲だったのかもしれない。
B面の『スウィート・スウィート・スウィート』は、TBSドラマ『はらぺこ同志』(1982年7月6日~9月21日)の主題歌である。
『窓』は、タイトルの「窓」を4度繰り返す歌詞で同名のタイトルである。『はらぺこ同志』自身が主演したテレビドラマだが、ケーキ屋が舞台なので「スウィート」というタイトルになっている。
桜田淳子の歌は、この次の『眉月夜』(1983年9月5日)が最後のリリースになった。80年代は『澪つくし』(85年、NHK)や『善人の条件』(89年、松竹)などドラマや映画の出演が増えている。実質的にこのあたりから女優に転向したといっていいかもしれない。
『窓』(1982.8.5)
窓/スウィート・スウィート・スウィート
作詞者A面:犬丸秀作 B面:青木望(編曲も)
作曲・編曲者 A面:山上路夫 B面:大野雄二(編曲も)
ビクター音楽産業
ドラマ『はらぺこ同志』は、パリ帰りの青年と田舎出の女性が出会って繰り広げるホームコメディー。『玉ねぎむいたら』に続く松木ひろし脚本の作品である。
作曲・編曲が大野雄二になっているが、大野は『ルパン三世』(1971年~、日本テレビ)や石坂浩二版金田一耕助シリーズだけでなく、日本テレビで70年代に放送されていた一連の松木脚本、石立鉄男主演のホームコメディをすべて担当。81年にはやはり松木ひろし・大野雄二のコンビで『俺はご先祖さま』(1981年12月6日~1982年3月14日、日本テレビ)からマリアンがブレイクした。
2作主演が続き、桜田淳子のキャラクターは松木ドラマに合っているのではないかと思われたが、テレビドラマは2時間枠がふえたり、トレンディドラマが台頭したりと事情が変わり、この作品限りで松木ひろし・桜田淳子コンビは終わってしまったのは惜しかった。
最近になって、伊藤咲子が過去を振り返る連載を夕刊紙に開始した。桜田淳子、伊藤咲子、岩崎宏美は仲良しだったが、異性の話になった時、「私たちはアイドルだから」と自重することを求める桜田淳子に対して、伊藤咲子と岩崎宏美が反発して、それまでのような友情を感じなくなったと述べている。
同じようなことを岩崎宏美もすでに述べている。はっきり名指しして複数の当事者が述べている以上、桜田淳子が反論しない限り、人はそういうことがあったのかと思うだろう。
しかし、それが事実であっても、桜田淳子のほうが正しい。だから、アイドルとして伊藤咲子や岩崎宏美は、桜田淳子に追いつけなかったのではないだろうか。
伊藤咲子や岩崎宏美は、アイドルとして負けた嫉妬を、桜田淳子が「友人にもとる」かのような表現を使って述べたのだろう。
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