『しあわせ芝居』で中島みゆきの世界を歌い上げた桜田淳子

『しあわせ芝居』は桜田淳子21枚目のシングル。いよいよ中島みゆきの登場である。話題性か、相性が良かったのか、『夏にご用心』以来の35万枚を超すヒット(36.5万枚)で、オリコン最高位は3位につけている。そして、第20回日本レコード大賞・金賞を受賞し、『第29回NHK紅白歌合戦』でもこの歌を歌った。

中島みゆきといえば、70、80、90年代、そして21世紀とオリコンチャート1位を獲得した。時代を超えた普遍的な創作価値があるのだろう。この歌は、その中島みゆき自身や研ナオコなどがカヴァーしている。中島みゆき自身も気に入った歌と思われる。

今はもう大御所だが、77年といえば中島みゆきにとってもまだ「急上昇」の時期だったかもしれない。ファースト・アルバム『私の声が聞こえますか』を発表したのは1976年4月である。同年に研ナオコに提供した『あばよ』が大ヒットしたことで、ソングライターとしての名を世間に知らしめたといえるからだ。少し手垢にまみれた表現かも知れないが、両者WIN-WINの歌だったのかもしれない。

一説には、研ナオコのために書き下ろしたが、77年といえば大麻取締法違反(所持、覚せい剤で逮捕というのは誤りである)で研ナオコは芸能活動を自粛していたので、桜田淳子が歌うことになったという。

結果として、まず19歳の桜田淳子が中島みゆき的悲恋を歌い、その翌年に20代の研ナオコが歌う順番になった。世代の違う歌手が、リレーのように同じ歌を歌うのは歌の興趣としてはよかったのかもしれない。

『しあわせ芝居』(1977.11.5)

しあわせ芝居
しあわせ芝居/晩秋
作詞者 A面:中島みゆき B面:穂口雄右
作曲・編曲者 中島みゆき(編曲:船山基紀) B面:穂口雄右(編曲も)
ビクター音楽産業

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ジャケットは、桜田淳子が素足で片足を上げてくの字を作っている。そこにはハイソックスもキャスケットもない。アイドルに不可欠な絵に描いたような笑顔もない。衣装といい、これまでの少女、アイドルといった趣とは明らかに違う。

彼女は通算38枚のシングルをリリースしているが、21枚目といえば折り返し。奇しくも彼女は、自らの歌手人生の前半をアイドルとして、後半を女性としての歌を歌う方向を進んだ。女性・桜田淳子を歌う記念すべき一曲となったわけだ。

B面の作詞・作曲を手がけた穂口雄右は、もともとジャニーズ事務所出身でGSでも活躍。山口百恵の『夏ひらく青春』では編曲も手がけている。キャンディーズについては作詞が2曲、作曲は計9曲担当している。

他にはRCサクセション、あいざき進也、アグネス・チャン、石野真子、岩崎宏美ら、70年代のスターたちにも曲を提供。ジャスラック評議員としても活躍した。

アイスルジュンバン

アイスルジュンバン

  • 作者: 桜田 淳子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/11/24
  • メディア: 単行本

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