『波止場通りなみだ町』を歌い『水戸黄門』に出演した森昌子

『波止場通りなみだ町』は、森昌子36枚目のリリースである。ミノルフォンからキャニオンにレコード会社を移籍した森昌子であるが、久しぶりに遠藤実が曲を提供している。この時期には人気時代劇『水戸黄門』にゲスト出演して女優としての仕事にも意欲を見せるなど、「花の中三トリオ」だった山口百恵の引退フィーバーの影響を受けず芸能生活を送っている。

作曲は言わずと知れた大御所・遠藤実。デビュー三部作、「花の中三トリオ」時代から曲を提供している。そして、作詞は西沢爽。こちらも大物である。島倉千代子の『からたち日記』や美空ひばりの『ひばりの佐渡情話』など、戦後の大衆音楽に多大な影響を与えた作詞家である。

クリエーターとしてだけでなく、「日本近代歌謡史」で学位(文学博士)を取得しており、日本音楽著作権協会理事をつとめた。紫綬褒章(82年)、勲四等旭日小綬章(94年)なども受賞している。

作詞の方は74年にセミリタイヤ状態だったが、斯界の大御所でさえも森昌子には詞を書かせる魅力があるのか。遠藤のように「心の歌」を歌わせてみたいと思ったのかもしれない。

森昌子はこの歌でまた、史上に残る大物との仕事を経験したのである。

『波止場通りなみだ町』(1980.9.21)

波止場通りなみだ町
波止場通りなみだ町/雨の港町
作詞者 A面:西沢爽 B面:いではく
作曲・編曲者 遠藤実(編曲:斉藤恒夫)
キャニオン

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B面の作詞はいではく。川中美幸の『ふたりの春』、小柳ルミ子の『南風』、杉良太郎の『江戸の黒豹』、千昌夫の『北国の春』、チェリッシュの『明日に向かって』などを手がけ、『第51回日本レコード大賞』(09年)では、北島三郎の『比叡の風』で作詩賞を受賞した。

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斉藤恒夫は、すでに書いたようには09年、編曲者として古賀政男音楽博物館が定める「大衆音楽の殿堂」入りを果たした。『下町の青い空』(1974.4.20)、『今日も笑顔でこんにちは』(1974.7.1)のB面の『愛は遠い』、『おかあさん』(1974.9.1)、『北風の朝』(1974.12.1)、『あの人の船行っちゃった』(1975.12.1)、『波止場通りなみだ町』(1980.9.21)、『哀しみ本線日本海』(1981.7.10)など、森昌子の多くの曲をアレンジしている。馬飼野俊一が師事していた。

この時期、森昌子は『水戸黄門(第11部)』にゲスト出演した。不振だった『おはなちゃん繁昌記』以来のドラマ出演になる。

巷間は山口百恵引退フィーバー。桜田淳子はそのあおりを受けてレコードセールスが落ちたともいわれたが、森昌子の場合は歌のジャンルもファン層も別のため、そうした影響もなく自分のペースで芸能生活を送っていた。

それはじんせい…

それはじんせい…

  • 作者: 森 昌子
  • 出版社/メーカー: 主婦と生活社
  • 発売日: 2011/12/16
  • メディア: 単行本

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