『夢先案内人』が最後のオリコン1位だった山口百恵

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『夢先案内人』は山口百恵の17枚目のシングルである。『パールカラーにゆれて』以来4作目のオリコン1位到達となった。阿木耀子、宇崎竜童のコンビでは初の1位である。が、これは山口百恵にとって最後のオリコン1位曲になってしまった。横須賀ツッパリ娘路線はこれから次第に確立されて伝説はむしろここからが始まりであるのだが、ナンバーワンというのはいつの時代も難しいものである。

『夢先案内人』は、第6回東京音楽祭世界大会では参加17曲と競い、銅賞を受賞した。

東京音楽祭というのは、70年代~80年代に、財団法人東京音楽祭協会が主催した国際音楽祭である。

同協会のあるTBSにとっては、日本レコード大賞とともに二大音楽イベントという位置づけで、国際音楽祭としては、ヤマハ主催の「世界歌謡祭」とともに、日本で開催された二大国際音楽祭とみなされていた。

『夢先案内人』(1977.04.01)

夢先案内人
夢先案内人/春に吹かれて
作詞者 阿木燿子
作曲者 宇崎竜童
編曲者 A面:萩田光雄 B面:馬飼野康二
CBS・ソニー

「赤い」シリーズは、宇津井健と水谷豊のピアニスト師弟を中心にドラマが展開する『赤い激流』が始まった。山口百恵も出演者に名を連ねて話題性をアップさせた。

しかし、実際には山口百恵は第1回に特別出演したのみで、ストーリーに関わる配役にはなっていない。まあこういうことはよくあることだ。第1回に出演させてレギュラー出演であるかのように見せかけて視聴者の目をまずその番組に向け、実はその後は出演しない。

大映テレビのドラマでは、三浦友和のデビュー作であった『シークレット部隊』で、ドラマの後にレギュラーを映しながらエンドロールが流れるシーンで、北村和夫がでているが、北村和夫は第1回に出ただけだった。

『赤い激流』では、その三浦友和も出演していない。つまり、モモトモコンビはこのドラマとは無関係である。

前回の『赤い衝撃』で宇津井健が外れたので、今度は山口百恵が外れたわけだ。

人気作品の主演を分離して、新しい路線を増やすというのは戦略上腑に落ちないものではない。

ただ、同シリーズは宇津井健と山口百恵、さらに三浦友和が絡んだサスペンスとしてブランディングされてきたにもかかわらず、数字を見ると、シリーズ上もっとも視聴率が高かったのはこの『赤い激流』になっている。

ここにも、「花の中三トリオ」以来ナンバーワンに縁遠い山口百恵の不運さがあらわれている。以後、山口百恵は引退するまで、同シリーズは次の『赤い絆』しか出演していない。山口百恵自身が『赤い』シリーズを敬遠したとも言われている。

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