『ひとり歩き』から『スプーン一杯の幸せ』に主演した桜田淳子

『ひとり歩き』は桜田淳子9枚目のシングルである。B面は『涙のいいわけ』。その年のゴールデンウィークに公開された自身の初主演映画『スプーン一杯の幸せ』で主題歌(A面)、および挿入歌(B面)に使われた。ジャケットの表紙は『月刊平凡』が提供している。映画も好評で、相乗効果から35万枚のセールスでオリコンは最高位が4位だった。

『ひとり歩き』(1975.3.5)

ひとり歩き
ひとり歩き/涙のいいわけ
作詞者A面:阿久悠 B面:落合恵子
作曲・編曲者A面:筒美京平(編曲も) B面:高田弘(編曲も)
ビクター音楽産業

映画『スプーン一杯の幸せ』は松竹配給である。言うまでもなく、山口百恵が文藝路線としてシリーズ化させた映画は東宝である。映画会社としても、事務所としても、同じ会社には出演させたくなかったのかもしれない。

本人のためにも、プロモーションは分散させた方がよかっただろう。

そういえば、一世を風靡したハナ肇とクレージーキャッツだが、植木等主演、もしくは植木等を中心としたクレージー映画は東宝、ハナ肇主演は松竹、谷啓主演は東映、犬塚弘主演は大映と、ナベプロは「第四の男」までの出演映画を会社ごとに振り分けていた。

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それはさておき、『スプーン一杯の幸せ』は原作が落合恵子のポエム・エッセイ・小説を集めたもの。それだけでは映画のストーリーにならないので、脚本は山根成之、南部英夫に原作者の落合恵子も加わった3名による映画用書き下ろしである。

桜田淳子演じる主人公はバトミントン部の高校生だ。彼女は黒沢年男演じる新任教師に憧れるが、彼は小料理屋の女主人である浜木綿子演じる桜田淳子の母親に求婚。

最初は反対する桜田淳子だったが、彼とバトミントンの試合をして許す気になるという、典型的な青春学園もののストーリーである。

設定では両親が離婚して女手一つの家庭だが、山口百恵の作品のような暗さや重さはなく明るくまとめている。

相手役が黒沢年男だからというわけではないが、なんとなく松竹よりも東宝映画のような趣きである。

その後、桜田淳子はやはり松竹で石坂洋次郎原作の『若い人』にも出演する。彼女の一連の作品は、小津安二郎や山田洋次のイメージが強い松竹に、青春路線を確立した意義があるのではないだろうか。

映画主演では、すでに前年暮れに山口百恵は『伊豆の踊子』に出ていたが、これで桜田淳子も追いついた。

同期でかつ中学の同級生だった桜田淳子と山口百恵だが、デビューの年は桜田淳子が圧倒的にリード、2年目になって山口百恵が盛り返し、3年目のこの年にはまた桜田淳子が追いつくなど好敵手として良い関係である。

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