『気まぐれヴィーナス』を歌い『若い人』に主演した桜田淳子

『気まぐれヴィーナス』は、桜田淳子19枚目のシングル。オリコンは7位につけ、『第28回NHK紅白歌合戦』でも歌った。B面の『若い人のテーマ』は、石坂洋次郎原作の青春小説『若い人』を東宝が映画化。桜田淳子が主演をつとめるとともに主題歌も歌った。桜田淳子も山口百恵とはテイストこそ違うが文芸路線の仲間入りである。

オセンチで切ない曲と明るい曲とがある桜田淳子だが、今回の『気まぐれヴィーナス』では明るい方になった。作詞が阿久悠、作曲が森田公一というスタ誕コンビである。

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船山基紀は、『あなたのすべて』(1977.2.25) とそのB面の『女らしく』、『もう戻れない』(1977.9.5) とそのB面の『ロンリーガール』、『しあわせ芝居』(1977.11.5)、『追いかけてヨコハマ』(1978.2.25)、『20才になれば』(1978.9.5)、『美しい夏』(1980.4.21)、『玉ねぎむいたら』(1981.5.1)など後期の桜田淳子の作品を手がけている。

青木望は、『窓』(1982.8.5)も手がけている。

『気まぐれヴィーナス』(1977.5.15)

気まぐれヴィーナス
気まぐれヴィーナ/若い人のテーマ
作詞者 阿久悠
作曲・編曲者 A面:森田公一(編曲:船山基紀) B面:森田公一(編曲:青木望)
ビクター音楽産業

B面は恒例のゴールデンウィークの映画で使われた主題歌である。といっても配給会社は、桜田淳子がホームグラウンドにしていた松竹ではなく東宝だった。

作品は石坂洋次郎原作の『若い人』である。だが、東宝は山口百恵のフィールドのはず。ではなぜ桜田淳子が出たか。

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石坂洋次郎が、ヒロインのイメージに山口百恵は合わないと首を縦に振らなかったからといわれている。

山口百恵ではダメだが桜田淳子ならOKというところに、2人のアイドルとしてのイメージはハッキリ棲み分けられていたことがわかる。それにしても、たんにヒロインに合わなかっただけでなく、山口百恵のフランチャイズである東宝に、文芸路線で桜田淳子が主演をはるというのは、当時、堀威夫や山口百恵としては心中穏やかでないものがあったのではないだろうか。

いずれしてにも、年齢相応の役柄で出演実績を重ねてきた桜田淳子も、いよいよあの女生徒の役を演じる年頃になったのだ。

新人教師の男性が、頭がよく美人で、勉強ができるくせにわざとしないでいる女生徒に次第に惹かれていく。

同じように女生徒も教師に惹かれていくものの、最後に女生徒の方が裏切り恋は結実しない。

青年教師の青春の蹉跌と、思春期の少女の多感な心理を描いた、何ともほろ苦い青春学園小説である。

過去に池部良と島崎雪子(52年)、石原裕次郎と吉永小百合(62年)などで演じられているが、桜田淳子の相手は“殿下”の小野寺昭。小説や他の作品は教師の視点で書かれているが、この桜田淳子版映画については生徒である桜田淳子が主役で描かれ、不良少女が男性教師を愛することによって大人に目覚めていくというストーリーになっている。

原作も書き換えさせてしまうほど、当時の桜田淳子にはパワーがあったのだ。

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