みのもんた。またトラブルと言われている。『東京スポーツ』(11月21日付)の第2面を3分の1ほど使った記事である。例のセクハラ疑惑、次男逮捕。島倉千代子さん葬儀の不謹慎発言。では今度は何かと思ったら、その次男の日本テレビ入社がコネ入社だったことを暴露してしまった件というのだ。本人の記者会見や一部番組降板などで一段落ついたかと思われた“みのもんた騒動”だが、まだ二次災害が続いているようである。
もともと、次男がコネ入社であることは、みのもんた自身が隠していなかった。
「次男の日本テレビ入社は、正直、コネでした。受験番号とか言って、『せがれが受けるからよろしく頼むよ』って、僕が氏家さんに言ってますからね」
「試験は、次男が言うには『難しくてわかんなかった』そうですが、結果的に受かった。ですからコネクションがあったからだと思います」(『週刊文春』11月14日号)
まあ、正直言ってマスコミなんてコネで入るもんだろう、ぐらいに世間も思っているし、日本テレビの功労者であり、直接会社の上層部と話ができるみのもんたなら、そういうこともあるだろう、ぐらいにの話かもしれない。
だが、みのもんたは、これだけではなく、さらに踏み込んだ話を、11月10日に発売された『文藝春秋』(2013年12月号)の「私はなぜここまで嫌われたのか」という手記で行ってしまった。
「入社試験を受けたのですが、恥ずかしいことに、筆記試験が難しくて住所と名前しか書けなかった、と。それで、当時、日テレの会長で、一昨年亡くなった氏家齊一郎さんに相談したところ、『将来、社屋を移転する可能性もあるので、引っ越し要員が必要だ』といって、体力だけはある次男を引っ張ってくれたのです(笑)」
「将来、社屋を移転する」というが、このときはもう、麹町から汐留に移転してすぐのことだから、それこそ次男が普通に務め上げても、定年まであるかどうかわからない「可能性」である。
まあ、要するに冗談半分で強引に口実を作ったのだろう。
しかし、今回記事になっているのは、ここがまずかったというのだ。
日本テレビは、一応採用試験で「コネ入社なし!」を大々的にアピールしてきたからだ。しかも、その道を開いたのが総帥の氏家齊一郎氏というのだから、日本テレビの面目は丸つぶれである。
同紙ではこう書かれている。
「テレビ局の筆記試験は毎日ニュースを見ていたり、就職試験用の参考書を1冊読めば、ある程度できる問題ばかりで、まったく難しくない。採用するに当たり、筆記試験に重きを置いていないからですよ。それを1問もできなかったということは、よほどダメだったということです」とテレビ局関係者。
「筆記試験に重きを置いていない」ということは、むしろコネ入社を前提としている、ということかもしれない。
しかし、言わなければそれはわからなかった。それが今回、みのもんたが暴露したことで、他の人まで「やっぱりあいつもそうだったか」「もしかしたら、こいつもそうなのか」といった疑惑で見られるようになる。
コネ入社の会社だとわかってしまったら、有望な学生は入社試験を受ける意欲もなくしてしまうだろう。ことはみのもんた次男だけの問題でなく、同局の今後の人材確保にまで影響を与える話なのである。
それにしても、これまでのトラブルは、みのもんた自身が直接仕事場であるテレビ局に影響をあたえるような話ではなかったが、今回は日本テレビの体面を損ねる大変な失言である。
ということは、今まではみのもんたを「仕事場」である局がかばう形だったので、タレント生命が完全に絶たれるという見方はあまりなかった。
しかし、今回の出来事によって、テレビ局との信頼関係が壊れてしまったら、みのもんたはいよいよ仕事場をなくす=タレント生命が終わる、という可能性も出てきてしまったのではないか。
これは大変なことである。
みのもんた、いったいどうなるのだろうか。
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