飛び出せ!青春(1972年2月20日 – 1973年2月18日、日本テレビ/東宝)という青春学園ドラマが53年前の2月20日に放送されました。おそらくは、FacebookやXでは関連投稿がたくさんあると思いますが、青春ドラマフリークの私も今回記事に取り上げさせていただきます。(文中敬称略)
昭和の名作ドラマシリーズは、たとえばウルトラマンシリーズのように、番組が修了して何十年経ってもファンに支持され続けているのですが、本作もそのひとつだと思います。
現在、日曜夜8時の日本テレビ系と言えば、『世界の果てまでイッテQ!』を放送していますが、かつては青春学園ドラマを合計9作放送した枠です。(1965年~1974年)
当時の人気、視聴率は大河ドラマの牙城に迫ったものです。
そのひとつが、『飛び出せ!青春』という、鎌田敏夫さん描き下ろしによるテレビ映画です。
同シリーズは、石原慎太郎さんの『青春とはなんだ』を原作とした同名のドラマを放送した(1965年)ところ、あたったので、以来、タイトルと設定は変わったものの、学園を舞台としたドラマとしてシリーズ化されたものです。
【日本テレビの青春学園ドラマシリーズ一覧】
青春とはなんだ(夏木陽介、1965年10月24日~1966年11月13日)原作、石原慎太郎
これが青春だ!(竜雷太、1966年11月20日~1967年10月22日)
でっかい青春(竜雷太、1967年10月29日~1968年10月13日)
進め!青春 (浜畑賢吉、1968年10月20日~1968年12月29日)
(炎の青春)(東山敬司、1969年5月12日~1969年7月14日)
☆おれは男だ!(森田健作、1971年2月21日~1972年2月13日)
飛び出せ!青春(村野武範、1972年2月20日~1973年2月18日)
☆おこれ!男だ(森田健作、1973年2月25日~1973年9月30日)
われら青春!(中村雅俊、1974年4月7日~1974年9月29日)
★青春ド真中!(中村雅俊、1978年5月7日~1978年9月24日)
★(ゆうひが丘の総理大臣)(中村雅俊、1978年10月11日~1979年10月10日)
★(あさひが丘の大統領)(宮内淳、1979年10月17日~1980年9月17日)
()のドラマは、日曜20時以外の放送枠
☆は松竹製作、★はユニオン映画製作、無印は東宝、テアトル・プロ製作です。
9作は、東宝映画が制作した7作は、熱血教師を主人公にしたドラマでしたが、松竹映画が制作した2作は、森田健作を主人公とする熱血生徒のドラマでした。
その熱血教師ドラマは、初代の夏木陽介の場合、まだ生徒にとって一段高いところにいる先生でしたが、竜雷太、浜畑賢吉ら、新作ごとに次第に生徒に近づき、『飛び出せ!青春』では、生徒とともに成長する教師像が描かれました。
レッツビギン!
#私はこのテレビ番組を観て育った
飛び出せ!青春 pic.twitter.com/M1vlEpcrRK— 若大将 (@hy1957koukeri) January 15, 2025
『飛び出せ!青春』は、1972年から1973年にかけて放送された日本テレビ系の学園青春ドラマです。
物語の舞台は、無試験で入学できるため、全国から落ちこぼれが集まる太陽学園高校。
新任教師の河野武(村野武範)が、その中でも特に落ちこぼれの集まったD組の担任と、サッカー部の顧問を通じて、生徒たちに熱い思いを伝えながら成長していく姿を描いています。
ドラマのテーマは「レッツ・ビギン Let’s begin!」(とにかく何かを始めよう)
主題歌「太陽がくれた季節」も大ヒットしました。
#真夜中のひとりDJ・昭和歌謡特集#Nowplaying
太陽がくれた季節 – 青い三角定規 (太陽がくれた季節/素足の世代) https://t.co/2mVsyCPbDF pic.twitter.com/RwiudAxFum— JTKの独り言 (@JTK_tw) February 3, 2025
このドラマは、学園青春ドラマの代表作として広く知られています。
日蓮宗と浄土真宗の違い?
冒頭に書いたように、第一弾の原作は石原慎太郎。
本作など、シリーズ後半のメインライターは鎌田敏夫です。
石原慎太郎は議員時代、霊友会の支援があったといわれていますが、ご本人の信仰はわかりません。
ただ少なくとも、法華経の解説本を上梓しています。
法華経は、真実に導くために耐えるべしとお経に書かれていますが、なるほど『青春とはなんだ』を見ると、八方破れの先生のはずなのに、理不尽なことをされてもやみくもな喧嘩はさせず、試合(ラグビー)でその怒りを爆発させろと「正論」を述べています。
ところが、鎌田敏夫は、ライバルの県立高校に理不尽なことをされると、先生が先頭に立って、相手のパンツを奪う八方破れの報復を行っています。
鎌田は、やはりヒットした青春ドラマ『俺たちの旅』では、第1回でいきなり金沢碧の着替え(トップレス)を田中健が垣間見てしまう衝撃のシーンを描きました。
さらに、「不倫」という言葉をはやらせたと言われるドラマ『金曜日の妻たちへ』シリーズも手掛けており、「人間がそうせずにはいられなかった情念を描く」ことにこだわりました。
悟りを開くために「法難」が続いてもじっと耐えた日連と、「煩悩は自力では解消できない」と妻帯を公言して、「衆生とともに生きる」親鸞の違いを見るようで、同じシリーズでもその違いはなかなか奥が深いと思いました。
明日も、青春学園ドラマのことを書かせていただきます。
シリーズは、DVD化やBS/CSでの再放送も何度か行われていますが、ご覧になったことはありますか。
飛び出せ!青春 Vol.5 [Blu-ray] – 村野武範, 酒井和歌子, 有島一郎, 穂積隆信, 柳生博, 石橋正次, 保積ペペ, 高瀬昌弘, 土屋統吾郎
俺たちの旅 二十年目の選択 [DVD] – 中村雅俊, 秋野太作, 田中健, 斎藤光正, 鎌田敏夫, 鎌田敏夫, 中村雅俊
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