『赤い激流』は、父と息子の愛と音楽の真髄や、人物相関図の整理と真犯人推理を楽しむ1977年初出の名作サスペンス大映ドラマ

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『赤い激流』は、父と息子の愛と音楽の真髄や、人物相関図の整理と真犯人推理を楽しむ1977年初出の名作サスペンス大映ドラマ

『赤い激流』が、48年の時間を超えてトレンドです。2025年4月5日現在、無料のBSTBSで月から金曜朝7時から1話ずつオンエア中。初出は、1977年6月3日~11月25日まで、TBS系列金曜9時の大映ドラマ枠で「赤いシリーズ」の第5作目として放送されました。

全26話にわたり、音楽を通じた父と息子の絆、そして師弟関係の深い絆を描き出し、視聴者の心を強く捉えました。

まあ、後半のほぼ半分は、緒形拳をサツ害したのは誰か、というサスペンスドラマですが、平均視聴率25.5%、最終回には37.2%という驚異的な数字を記録し、これは「赤いシリーズ」全体での最高視聴率となり、また当時の金曜9時枠としても史上最高視聴率となりました。

[Wikipedia](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E3%81%84%E6%BF%80%E6%B5%81)

ストーリー概要

『赤い激流』は、音楽大学のピアノ科助教授・大沢武(宇津井健)と、その弟子となる若きピアニスト・田代敏夫(水谷豊)との師弟関係を中心に展開するヒューマンドラマです。

舞台は音楽家一家です。

音楽大学のピアノ科助教授・大沢武(宇津井健)は、連れ子・敏夫(水谷豊)のいる田代弓子(松尾嘉代)と再婚しました。

実父・田代清司は緒形拳。亡くなったことになっていますが、実は生きています。

敏夫(水谷豊)は、場末のジャズピアニストで生計を立てていますが、武(宇津井健)はその才能を伸ばしてやりたいと、本格的なレッスンを勧めます。

しかし、田代敏夫(水谷豊)は、実父のライバルだった大沢(宇津井健)と、“なさぬ仲”になったこともあって反発。

それが原因で大沢(宇津井健)は指を痛めますが、田代敏夫(水谷豊)は音楽大学で学ぶことを承諾します。

ところが、亡くなったと思われた田代(緒形拳)があらわれて、大沢(宇津井健)らに迷惑をかけます。

その挙句、田代(緒形拳)が何者かに殺害されましたが、息子の敏夫(水谷豊)に嫌疑がかかり、尊属殺人としてシ刑が求刑。

敏夫(水谷豊)は、大学学長(小沢栄太郎)の孫・華江(竹下景子)に、毎回強烈なキスシーンで励まされながら毎回逃げまくり、最終回で真犯人が明らかになる、というサスペンス的な要素も入ったストーリーです。

その犯人知りたさに、このブログの関連過去記事のアクセス数が急増しているのです。

ストーリーでは、水谷豊を中心に、岸恵子、前田吟ら、怪しそうな人がさんざん出てきますが、1クールの間、さんざん引っ張って、最終回にあっさり、思わぬ人が真犯人に判明します。

48年も前のドラマなので、ネットではネタバレされていますが、一応初めて見る人が、私のブログにも来られていると思うので、真犯人は最終回のお楽しみということにしましょう。

人物相関図の整理と真犯人推理を楽しむ


本作の主な出演者は、音楽大学のピアノ科助教授・大沢武(宇津井健)、再婚相手・田代弓子(松尾嘉代)、その息子・敏夫(水谷豊)、敏夫の実父・田代清司(緒形拳)、音楽大学学長・宮島貞之(小沢栄太郎)。

その他の出演者は、大沢の弟の指揮者・実(石立鉄男)、大沢の長女に山口百恵、学長夫人(赤木春恵)、学長の娘(馬渕晴子)、その夫(前田吟)、その息子(堀内正美)、大沢の前妻の息子(中島久之)、娘(久木田美弥)、大沢の友人の医師(神山繁)、刑事(加藤武、名古屋章)、パリ在住のヴァイオリニスト・木元光子(岸恵子)と、多彩です。

それだけに、当時、出演者の人物相関図の整理と、「誰が犯人なんだろう」という真犯人推理について、学校でもクラスメートと話題にしたことを覚えています。

自ラマは、増村保造監督による、いわゆる「大映ドラマ」ですが、出演者の豪華さ、ショパンの「英雄ポロネーズ」などの難曲を実際に演奏するシーンなどは、ドラマの見どころの一つでした。

ドラマ中の第46回毎朝音楽コンクールでは、以下の3曲が課題曲として登場します:

1. フレデリック・ショパン「英雄ポロネーズ」(Polonaise No.6 in A-flat major, Op.53)
2. フランツ・リスト「ラ・カンパネラ」(La Campanella)
3. ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン「ピアノソナタ第17番(テンペスト)」(Piano Sonata No.17 “Tempest”)

「赤い」シリーズと言うと、山口百恵のイメージが強いのですが、本作では第1回に出てだけ。

それでも、シリーズ屈指の人気ドラマになりました。

時代背景と社会的影響、みどころなど

以下、AIアシスタントのGensparkに、ドラの放送された「時代背景と社会的影響、みどころ」をまとめてもらいました。

1970年代後半という時代は、高度経済成長期を経て日本の社会が変化し始めた時期でした。家族の在り方や価値観が多様化する中で、『赤い激流』は伝統的な血縁による親子関係だけでなく、師弟という形での精神的な親子関係の価値を描き出しました。

また、当時の日本では西洋クラシック音楽の人気が高まっており、そうした文化的背景も本作の高視聴率に寄与したと考えられます。

さらに、本作は「赤いシリーズ」の中でも特に高い評価を受け、後の日本のテレビドラマにおける音楽の使い方や、師弟関係・親子関係を描くドラマの模範となりました。

『赤い激流』の見どころとしては、以下のようなポイントが挙げられます:

1. 水谷豊のピアノ演奏シーン:特に「英雄ポロネーズ」を演奏するシーンは圧巻で、役者としての真摯な姿勢が伝わってきます。

2. 実父56しの冤罪をめぐる法廷シーン:敏夫が無実の罪を着せられる展開は、当時の視聴者に大きな衝撃を与えました。

3. 師弟関係の深まり:敏夫と武の関係が、単なる教師と生徒の関係から、精神的な父子関係へと発展していく過程が丁寧に描かれています。

4. 山口百恵と岸惠子の特別出演:当時すでに人気絶頂だった山口百恵が特別出演したことも話題となりました。

5. 感動的な最終回:37.2%という驚異的な視聴率を記録した最終回は、すべての謎が解け、敏夫がコンクールで演奏を成し遂げるという感動的な展開となっています。

『赤い激流』は、単なるサスペンスドラマではなく、音楽の力、父と息子の絆、師弟の愛という普遍的テーマを深く掘り下げた作品です。宇津井健、水谷豊をはじめとする俳優陣の熱演、クラシック音楽の効果的な使用、そして安本莞二らの練り上げられた脚本によって、45年以上たった今でも色あせない名作となっています。

「赤いシリーズ」全10作品の中でも最高視聴率を記録したこの作品は、日本のテレビドラマ史に残る傑作として、多くの視聴者の記憶に刻まれています。音楽を通じた人間の成長と再生を描いた本作は、今日の視聴者にも十分に訴えかける力を持っているといえるでしょう。

水谷豊にとっては、この作品が俳優としての大きな転機となり、後の「相棒」などでの活躍につながる重要な一作となりました。また、宇津井健の温かみのある父親像も、多くの視聴者の心に残る演技となりました。

『赤い激流』が描き出した父と息子の愛、師弟愛、そして音楽の力は、時代を超えて私たちの心に響き続けています。

……ということです。『赤い激流』、ご覧になったことはありますか。

赤い激流 [DVD] - 宇津井健, 水谷豊, 石立鉄男, 中島久之, 増村保造, 瀬川昌治, 降旗康男, 国原俊明
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