『玉ねぎむいたら』で松木ひろし・石立鉄男と出会った桜田淳子

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『玉ねぎむいたら』は、桜田淳子34枚目のシングルリリースである。彼女が主演した同名のテレビドラマの主題歌である。ちなみに、時間帯はTBSの金曜午後9時。そう、「赤い」シリーズの時間帯である。これまでの出演実績を見ても明らかだが、ライトコメディーは彼女に合っていたようで、26話の予定が5話延長になったという。

当時、日本テレビの青春ホームコメディーを何本も撮っていた脚本・松木ひろしと主演・石立鉄男のコンビがTBSに舞台を移し、桜田淳子をヒロインに迎えて制作されたのが『玉ねぎむいたら…』(81年4月3日~81年11月6日)。この歌が主題歌であるとともに、実質的に桜田淳子が主役をつとめた。

松木ひろしは、湿っぽくないコメディを2枚目に演じさせることがひとつのテーマで、植木等の初期の映画や、石立鉄男主演のテレビドラマをこの作品合わせて10本撮っている。

その松木ひろしのもうひとつのモチーフが大家族。その人間関係の機微を恋愛を絡めて描くのが得意であり、過去には『フルーツポンチ3対3』『おひかえあそばせ』『雑居時代』などの名作がある。

「茶の間」「ホームドラマ」という言葉が現実的でなくなった80年代以降は、「大家族」のモチーフを職場にうつした。その第一弾がこの『玉ねぎむいたら』である。

桜田淳子は、これまで映画やドラマに多数出演しているが、やはり彼女の持ち味はライトコメディにある。『てんつくてん』『となりのとなり』など、初期の作品が印象深い。

その意味で、松木ひろし、石立鉄男コンビという実績ある作品に出演出来たのは、彼女にとっても大変いいことだったのではないだろうか。

『玉ねぎむいたら』(1981.5.1)

玉ねぎむいたら
玉ねぎむいたら…/哀しみの前奏曲
作詞者 山路路夫
作曲・編曲者 平尾昌晃(編曲:船山基紀)
ビクター音楽産業

ストーリーは、女房に逃げられた漫画家(藤岡琢也)の筆頭アシスタント(石立鉄男)と、住み込みの天真爛漫なお手伝いさん(桜田淳子)が騒動を繰り広げる。やはりホームコメディーである。

ジャケットで桜田淳子が剣道着を着ているのは、剣道が得意という設定のため。松木&石立コンビのドラマからは、過去に山口いずみや坪田直子ら若い女性が羽ばたいており、彼女にとっても女優としての自らの道を掃き清める作品となった。

石立鉄男は、スタ誕三人娘の一人である百恵とはやはりTBSの“大映ドラマ”で共演。山口百恵が出演した作品は大映テレビお得意の劇的なストーリーではあったがコメディーではない。2人ともこの時点でデビューして10年近くたっているが、明と暗の違いは「石立鉄男との共演」にもあらわれているところが興味深い。

玉ねぎむいたら DVD-BOX 1

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