『愛の嵐』を歌い『ホワイト・ラブ ーWhite Loveー』に出演した山口百恵

『愛の嵐』は山口百恵26枚目のシングルリリースである。トヨタ自動車『ターセル』『コルサ』のCMソングになった。お盆映画はまたモモトモだったが、ストーリーは文芸路線でも青春ツッパリ路線でもなく原案を公募した『ホワイト・ラブ ーWhite Loveー』。映画の路線はなかなか確立せず、というよりいろいろなものにチャレンジするフリーハンドのスタンスだったのかもしれない。

歌の方は、もし、自分の恋人に女性が出てきたらと空想して、嫉妬する歌詞になっている。イントロでは後ろを向き、歌の最初では左手を首にあてながら朗読するような歌い方をする。

「ストーム、ストーム、ストーム」と連発して激しさを表現しながら、邪推で嫉妬するのは「心の貧しい女だわ」と自己批判する。

重いが凛とした、まるで彼女そのもののように見える詞だが、山口百恵自身の考え方は少し違っていたようだ。

スポンサーリンク↓

「想像の範囲で言ってみたら、私はおそらく自分の夫を許さないだろう。裏切りを知った瞬間から、嫌悪感が満ちあふれ、まず、体に触れられることすら拒否してしまうだろう」「私に関する限り、嫉妬心は恋愛の気付け薬にはならない。毒を含んだ危険な感情なのである」(『蒼い時』)。

結婚してからずっとそうだったのだろうか。三浦友和も大変だったろう(笑)

『愛の嵐』(1979.06.01)

愛の嵐
愛の嵐/シニカル
作詞者 阿木耀子
作曲・編曲者 宇崎竜童(編曲:萩田光雄)
CBS・ソニー

スポンサーリンク↓

この年の恒例お盆映画は『ホワイト・ラブ ーWhite Loveー』。モモトモコンビで10作目になる。文芸作品リバイバル一辺倒をやめて、日活映画のリメイクを作ったかと思えば、今度は原案を一般から公募している。

脱アイドルの新しい女優・山口百恵像を作ろうと実験していた時期だったのか。モモトモが商売になると見て“無難な”文芸路線だけは卒業させる気になったのか。それとも、その時々でいろいろなものにチャレンジできる間口のを広げていたのか。

ただ、「花の中三トリオ」の桜田淳子の映画出演は、アイドルとしての顔見世から青春映画のヒロイン、そして大人の女性と、順調に自分の年齢に応じて芸域と実績を広げているだけに、山口百恵の方は試行錯誤に見えなくもない。

山口百恵というと、全盛期にやめたことで伝説化しているが、現役時代は歌手としては大きな賞に恵まれず、映画の方もきちんと自分の路線を確立しきれない「未完成」の面があったことは否定しようのないことである。

ただ、『ふりむけば愛』に続いて海外ロケ(スペイン)も敢行。『伊豆の踊子』が1泊2日の伊豆半島ロケだけで、残りを奥多摩で撮影した(『女優山口百恵』)のに比べて、お金のかけ方がだいぶ違う。それだけ彼女の存在も2人の映画も大きくなったということだろう。

山口百恵 赤と青とイミテイション・ゴールドと (朝日文庫)

山口百恵 赤と青とイミテイション・ゴールドと (朝日文庫)

  • 作者: 中川 右介
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2012/05/08
  • メディア: 文庫

スポンサーリンク↓