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『ねえ!気がついてよ』でイメージチェンジをはかった桜田淳子

『ねえ!気がついてよ』は桜田淳子16枚目シングルである。28.6万枚を売り上げ、オリコン最高順位は2位につけた。つまりかなり売れ行きの良かったヒット曲である。ジャケットはいつもの少女っぽさは卒業し、白いジャケットにスラックスと白いシューズを身につけた。作詞は阿久悠、作曲は元スパイダースの大野克夫が提供した。

「ここ2作ほど続いていた超ミニスカートのお色気路線からノリの良い曲で膝下スカートに乗り換えて、イメージチェンジをはかった曲」(旧『桜田淳子イズム』サイト)である。

ネットではYOUTUBEに、『スター誕生!』でこの歌を歌っている桜田淳子の動画がアップされている。以前から肩までかかるようにのばしているヘアスタイルで、白いロングスカート、そして、白い靴を履いている。

歌詞を見ると、今日は誘惑されてもいいかな、という件があり、アブナイ歌ではあるのだが、ミニスカートではなく膝下スカートにすることで、後のおニャン子クラブ的な“不躾な好奇心”ではなく、自分なりに気持ちの準備をした表明という奥ゆかしさが感じられる。

当時のアイドルだからその程度のアブナさということもあるかもしれないが、そもそも桜田淳子のもつ清純さに無原則なお色気は似合わないだろう。

いくらアブナくても、「花の中三トリオ」と「おニャン子クラブ」は違うのである。

『ねえ!気がついてよ』(1976.8.25)


ねえ!気がついてよ/かかとの折れた靴をさげ
作詞者 阿久悠
作曲者 大野克夫
編曲者 A面:大野克夫 B面:高田弘

詞は阿久悠が提供した。作曲の大野克夫は、元ザ・スパイダースのメンバーである。ギタリストのイノヤンこと井上堯之と行動を共にして、スパイダース解散後は沢田研二、萩原健一らとPYG(ピッグ)を結成したり、井上堯之バンドに参加したりした。当時は人気ドラマ『太陽にほえろ!』や『寺内貫太郎一家』などの作編曲を担当していた。

翌77年には沢田研二の『勝手にしやがれ』を作曲して第19回日本レコード大賞の大賞を、翌年の『LOVE (抱きしめたい)』で最優秀歌唱賞を受賞している。

77年、78年といえば、沢田研二とピンク・レデイーが激烈なマッチレースを連続して繰り広げ、大賞を取り合った2年間である。その一方の側の作家であったわけだ。

その後は自ら大野克夫バンドを結成し、アニメ『名探偵コナン』の音楽などを提供している。その後の隆盛を見ると、大野克夫自身にとっても、ヒットしたこの歌は登竜門的な位置づけになった。

夢を食った男たち―「スター誕生」と歌謡曲黄金の70年代 (文春文庫)

  • 作者: 阿久 悠
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/12/06
  • メディア: 文庫

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