『同級生』は森昌子女性青春歌謡の一曲

『同級生』。懐かしい響きだが、それをタイトルにしたのが森昌子の『せんせい』に次ぐ2曲目になる『同級生』である。森昌子の著書『明日へ』によると、デビュー曲もそうだが、作曲は遠藤実である。昌子によれば、次の『中学三年生』も含めて、学園もの三部作は『せんせい』ができた時点ですべて完成していたそうである。たしかに、いずれもつながりの深い言葉である。

スポンサーリンク↓

いずれにしても、『せんせい』がヒットした時点で、三部作については見込みが立ってスタッフとしてはホッとしたことだろう。『せんせい』に続く青春歌謡もののセカンドリリースである。

『同級生』(1972.10.25)
同級生

同級生/恋人になって!!
森昌子
作詞者:阿久悠
作曲・編曲者:遠藤実
ミノルフォン

阿久悠氏は、実のところ大御所・遠藤実とのコンビについて若干戸惑いもあったという。2人の年齢は5つしか違わないが、阿久悠氏は広告代理店や放送作家出身で、歌謡曲作家の遠藤実氏との作家としてのキャリアは大きく違う。

スポンサーリンク↓

もちろん、私たちから見れば、阿久悠氏は十分大物である。尾崎紀世彦の『また逢う日まで』でレコード大賞を取った作詞家として子供でも知っている存在だった。

しかし、業界的にはそうではなかった。阿久悠氏は何より自らを「ゲリラ的」「ハネッかえりの傍流」と呼ぶ若手作家である。

一方、遠藤実氏や船村徹氏や市川昭介氏、猪俣公章氏らは自分と交わる立場ではない「主流」と考えていたのである。

少なくとも遠藤実氏はそれだけ存在が大きかった。阿久悠氏を大物とするなら、遠藤実氏は超大物だったということだろう。

だが、逆に、そうした異色のコンビが力を合わせたからこそ森昌子の歌の奥深さにつながった、と美化するのは、後付的な誉め言葉になってしまうだろうか。

遠藤実氏は、森昌子のデビュー時に番組の審査員席に座り、彼女を盛り上げただけでなく、阿久悠氏に対しても「これからも、心の歌を作りましょう」と阿久悠の手を握りしめたそうだ(『夢を食った男たち』)。

遠藤実氏としては、森昌子は大切なミノルフォンの秘蔵っ子。何より、青春歌謡の歌い手として大切な存在だった。その森昌子を見出し、作詞を行う阿久悠は、大切な同志であったということだろう。

『同級生』のチャートは4位(オリコン)。デビュー曲の『せんせい』が3位だったからまずまずの結果といえる。結果的に森昌子の最大のヒット曲は『せんせい』だったが、それに次ぐヒット曲だったわけだ。

そして、連続ヒットによって、「一発屋」の壁もクリアできたことになる。

スポンサーリンク↓