『特捜最前線』の偏執狂的悪役を演じた西田健さんは『帰ってきたウルトラマン』のMAT岸田文夫隊員でブレイクした

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今日は西田健さん(1945年6月24日~)の誕生日です。おめでとうございます。『帰ってきたウルトラマン』のMAT岸田文夫隊員でブレイク

今日は西田健さん(1945年6月24日~)の誕生日です。おめでとうございます。『帰ってきたウルトラマン』のMAT岸田文夫隊員でブレイク。以後は幅広いジャンルで活躍しましたが、今日は『特捜最前線』の3つの出演作で演じた偏執狂的キャラクターを振り返ります。(画面は『特捜最前線』第29話より)

西田健とは誰だ

西田健さんは、都立雪谷高ー早稲田大学文学部演劇専修科に入学。

大学時代の同期は逸見政孝や長塚京三など。

といっても、学園紛争の時代で大学はロックアウトされていたため、先日このブログでもご紹介した、日本テレビのプロデューサー井原高忠の個人秘書という形で働くことになったそうです。

いったん大学へ戻った後、劇団雲の研究生へ。ここでの同期は大学の同窓でもある田中真紀子。

劇団雲の分裂で劇団円にうつり、1971年に『帰ってきたウルトラマン』で、MATの岸田文夫隊員にキャスティングされてテレビドラマの仕事を本格的に行います。

Wikiには、「20代から30代にかけては、『特捜最前線』や『Gメン’75』などで演じた個性的な犯人役に代表されるように、悪役を演じることが多くなった。とりわけ『特捜最前線』では原子爆弾を製造する思想犯に始まり、ストーカーや潔癖症のマザコン男など、さまざまな役柄を演じた。」と記載されています。

以後は昼メロドラマ、特捜最前線やGメン’75の悪役など、昭和期には幅広いジャンルで活躍しました。

最近では、『警視庁・捜査一課長』で本淵陽巡査部巡査部長を演じています。

ちょっと前には、カツラで話題になりました。


悪役も多かったのですが、愉快な方なのかもしれません。

過去の出演作はたくさんありますが、私はやはり、特捜最前線の偏執狂的な悪役を忘れることはできません。

プルトニウム爆弾が消えた街


『特捜最前線』第29話「プルトニウム爆弾が消えた街」では、研究所から、4人組によってプルトニウムが盗まれましたが、すべて逮捕されたものの、人質・重森信一(西田健)が行方不明に。

神代課長(二谷英明)は、官房長官(中村伸郎)から、事件の際にプルトニウムが消えたことを打ち明けられ、部下にも事情を知らせないまま極秘裏に奪還することを命じられます。

さらに、毎朝新聞社会部宛には、プルトニウムの流出と、それを基にした原子爆弾製造を宣言する文書が届いていたことを記者(滝田裕介)から伝えられます。

西田敏行、荒木しげる、誠直也ら刑事たちは、連続誘拐の犯人を追っており、最初は西田健行方不明事件を軽視していましたが、結局二谷英明はプルトニウムの流出と原子爆弾の製造計画を打ち明け、そこから本格的な捜査が始まります。

二谷英明は、宣言文書を作ったのが、世界平和は原子爆弾によって破滅させるショック療法をとるしかない、と説く原子物理学者・刈屋教授(山内明)であることを突き止めます。

そして、西田健は刈屋教授(山内明)の弟子であり、かつ娘ミナ(新海百合子)と親しい関係でした。

こうしている間に、西田健は原子爆弾を完成させます。

山内明の考えでは、原子爆弾を本当に爆発させるのではなく、個人でも原爆を持てることを示すことで核の抑止力を無意味化し、政府に「非核武装」を宣言させるのだといいます。

しかし、予定通りならば西田健が仕掛けるはずの場所に行ってみたものの、原子爆弾は仕掛けられていませんでした。

第30話「核爆発80秒前のロザリオ」に続きます。

核爆発80秒前のロザリオ


西田健は、山内明が政府の審議会に入ったことで、エラソーなこと言いながら体制側に寝返ったじゃねーかと憤り、世界を股にかける企業爆破・襲撃を繰り返す破壊集団の「黒の義勇軍」入りしていました。

西田健は、二谷英明に対して、「黒の義勇軍」のリーダー阿久津(本田博太郎)の釈放と、羽田から逃がす様子の実況中継を要求しますが、阿久津(本田博太郎)は心臓を病んでいて、移動中に亡くなってしまいます。

西田健は、「灰の中から、はじめて新しい政治が生まれるんだーっ」と、本気で東京で原子爆弾を爆発させる気で、新宿のコインロッカーで90分で爆発するよう仕掛けます。

しかし、ミナに説得された上、警察に囲まれ、自分は東京から逃げ出せないとわかると、いったん噴水に捨てた鍵を拾って、コインロッカーに戻ろうと全力疾走。

そこで捕まってしまいますが、「爆発するーっ」

時間はあと2分しかありません。

二谷英明は老骨に鞭打って全力疾走、歩いている人を払い除け、突き飛ばしてギリギリ間に合った、という話です。

恐怖のテレホン・セックス魔!


『特捜最前線』第94話は、怪作にして傑作!!」との誉れ高い「恐怖のテレホン・セックス魔!」です。

ありふれた家庭に突然かかってきた男からの「奥さん、ハァハァ」電話。

「(奥さんの)胸にほくろが3つ」という男の指摘で、夫(有川博)は逆上して、浮気隠しの細工だと言って妻を信じず家を出ていってしまいます。

警察も、「その程度では脅迫罪にならない」と埒が明かず、奥さん(八木孝子)は、船村刑事(大滝秀治)の妻(風見章子)に相談。

大滝秀治が特捜課に持ち込み、刑事たち(本郷功次郎、横光克彦、誠直也、荒木しげる)と捜査を始めます。

しかし、犯人逮捕のために電話番号を変えないという話だったのに、八木孝子がハァハァ電話に耐えられず番号を変えると、大滝秀治は声を裏返して「約束が違うじゃねーか」と、弱っている事件の被害者の主婦相手に怒り狂います。

船村刑事は、何もかもわかってくれる人情家のようにみえて、時々そうやって荒れ狂うシーンがありました。

何より、犯人(西田健)が狡猾なのと、大滝秀治のカッとするところが仇となり、罠にはめられてしまうことも。

そして結局電話番号を変えてもダメで、西田健は八木孝子の娘を使って八木孝子を駅に出てくるように命じますが、知能犯だったわりにはあっさりとそこでお縄に。

大滝秀治は、メンが割れているはずなのに、西田健の横を歩きながら逮捕の機会を伺うというツッコミどころもありましたが、とにかく捕まえて、家庭も元通りになったハッピーエンドでした。

くすっと笑えるエピソード


カッとした大滝秀治に襟を掴まれた西田健が、翌日包帯をぐるぐる巻きにして診断書を持って特命課にやってくるシーン。

特命課では、西田健を犯人と特定していたので、本郷功次郎や誠直也らは怒っているのですが、紅林刑事(横光克彦)はうさんくさい西田健にどうぞと椅子を勧めています。

ツイートは「どうしてもコントにしか見えなくて困る」と書いてます。

ことほどさように、特捜最前線は、個々の刑事がバラバラで、画面の隅から隅まで目が離せない面白さがありました。

西田健さんには、今後もご活躍を期待します。

以上、今日は西田健さん(1945年6月24日~)の誕生日です。おめでとうございます。『帰ってきたウルトラマン』のMAT岸田文夫隊員でブレイク、でした。

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