7月2日は荻昌弘さん(1925年8月25日~1988年7月2日)の37回忌です。映画評論家、料理研究家、オーディオ評論家、旅行評論家として活躍しました。テレビは、毎週月曜夜の『月曜ロードショー』(TBS)の解説でお馴染みでした。
荻昌弘さんは、日本の映画評論家、料理研究家、オーディオ評論家、旅行評論家でした。
長年にわたり、『月曜ロードショー』の解説者として活躍。
淀川長治さんや、水野晴郎さんと並んで、昭和の劇場用映画番組解説者として知られていました。
その落ち着いた語り口から多くの視聴者に親しまれていました。
また、食通としても知られ、食文化、音楽、旅などの評論も行っていました。
荻昌弘さんのトクトクとした落ち着いた語り口が好きでした…#荻昌弘#月曜ロードショー pic.twitter.com/GyoJYBdK9j
— 柴犬メリーさん?? (@iCzwxllWmfytfUa) September 16, 2023
Copilotに、荻昌弘さん推しの映画作品を尋ねてみました。
それによると、荻昌弘さんの評論集『映画批評真剣勝負 ぼくが映画に夢中になった日々《作品鑑賞篇》』では、次の作品を挙げていると言います。
1. 道
2. 昼下がりの情事
3. 恋人たち
4. 太陽がいっぱい
5. 怒りの葡萄
6. 野いちご
7. アラビアのロレンス
8. 大脱走
9. 軽蔑
10. 柔らかい肌
11. 幸福
12. 欲望
13. サムライ
14. アポロンの地獄
15. ロミオとジュリエット
16. 真夜中のカーボーイ
17. ウッドストック
18. ある愛の詩
19. ベニスに死す
20. エクソシスト
21. タワーリング・インフェルノ
22. 愛の嵐
23. ジョーズ
24. タクシー・ドライバー
25. 未知との遭遇
26. 2001年宇宙の旅
27. 地獄の黙示録
荻昌弘さんの評論は、映画愛好者にとって興味深いものであり、彼の名前は日本の映画文化に欠かせない存在となっています。
劇場用映画番組にどうして解説者が必要だったか
私は最近はテレビを見ないのでわかりませんが、地上波では、劇場用映画を放送する枠はあるのでしょうか。
BSやCSで専門チャンネルがあるので、たぶんその役割は終えているのだろうと思われますが、昭和の地上波のみの時代は、劇場用映画を放送する枠があり、解説者が、番組の最初、もしくは最初と最後に当該映画作品について語っていました。
1970~80年代の劇場用映画番組と解説者をざっと思い出します。
月曜ロードショー(TBS)……荻昌弘
水曜ロードショー⇒金曜ロードショー(日本テレビ)……水野晴郎「いやー、映画って、本っ当にいいものですね」。
木曜洋画劇場(テレビ東京)……木村奈保子「あなたのハートには、何が残りましたか?」
土曜洋画劇場⇒日曜洋画劇場(テレビ朝日)……淀川長治
土曜映画劇場⇒日曜映画劇場⇒土曜映画劇場(テレビ朝日)……木崎国嘉、増田貴光「来週もまた、あなたとお逢いしましょう!」、筈見有弘、児玉清
ゴールデン洋画劇場(フジテレビ)……高島忠夫
日本映画名作劇場(東京12チャンネル=現テレビ東京)……白井佳夫、品田雄吉
映画番組に解説者がどうして必要だったのか。
劇場用映画を、テレビサイズと放送時間内に編集するため、補足解説する必要があったことがまず挙げられると思います。
昔のテレビのサイズで見せる場合、映画のサイズの左右両端をカットすることがあり、それによって映画館で見るときと比べ、その場面で写っている人が一人少ないなど、絵コンテが当初の映画用のものとかわっていることがあったのです。
それと、放送時間に合わせるため、ひとつのシーンをまるごとカットすることもありました。
でも、ストーリー上、無駄なシーンというのは本来ないですよね。
だから、補足解説できるようにしておく必要があったわけです。
あとは、作品制作の裏話やエピソードを語らせるためですが、こちらは映画雑誌や芸能メディアに書かれているような、ありふれた内容も少なくなかったですね。
ただ、無名のマニアよりは、映画記者出身者や俳優のほうが、説得力があるだろうということでの起用だったと思います。
映画評論とはなんだろう
荻昌弘バージョン pic.twitter.com/J4HgS8Mmwh
— Macleod/マクラウド (@macleod1997) 2017年9月28日
では、荻昌弘さんはどんな解説をされていたか。
一言で言えば、「映画はエンタテイメント」というものでした。
金持ち喧嘩せずではありませんが、日々の生活であくせくせず経済的に余裕のある人が道楽で見ることでその良さがわかる。
そう思わせるのが、荻昌弘さんの解説でした。
この人は、お金持ちのお坊ちゃん、東大時代は自分で映研を作り、学生時代から映画評論を始めています。
決して奇をてらった解説ではありませんが、オーソドックスに作品の随所に批評の目が行く届き、話をきいた後、勉強になったという感じがしました。
「お坊ちゃん」と書きましたが、あくまでそういう育ちだったというだけで、思想がブルジョワジーという意味ではありません。
批評家のポジションは体制派ではいけないという理由からか、日本社会党を支持する立場からの政治的発言でも知られていました。
私が、荻昌弘さんら解説の方々を通じて思ったのは、映画マニアである必要はあっても、そこで完結してはいけない、ということです。そして、自分自身の生き様にに確固たる世界観や哲学があることです。
ブログレビューは、まあ個人ブログなら素朴に感想でもいいのですが、より深いものを書きたいと思ったら、本数を見ることととともに、その制作された時代背景とか、役者やスタッフの関わり方や人生観など、重層的に見ていかなければならないというからです。つまり、映画評論は人間探求や社会評論としての側面を持たねばならないということです。
映像が綺麗だとか、そういう主観で完結するレビュー・「評論」ではなくて、客観的背景に基づいた価値観でないと、ただのひとりよがりに走ってしまうと思います。
もちろん、個人で楽しむなら、ひとりよがりでいいんですけどね。不特定多数にその価値を伝えるのなら、客観的な前提がないと、その思いを多くの人と共有するのはむずかしいのではないかと思います。
映画評論というと、どなたの解説がイメージされますか。
以上、荻昌弘さん(1925年8月25日~1988年7月2日)は『月曜ロードショー』解説、料理研究家、オーディオ評論家、旅行評論家として活躍、でした。
荻昌弘の映画批評真剣勝負: ぼくが映画に夢中になった日々 – 荻 昌弘
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