『続・社長紳士録』社長シリーズ“最終作”らしいフィナーレ


『続・社長紳士録』(1964年、東宝)といえば、東宝の屋台骨を支えたとまでいわれている人気シリーズ「社長シリーズ」の、最終作となるはずだった作品である。後に映画館主やファンの意向からシリーズは続行されることになったが、スタッフ、俳優とも最後のつもりで作り上げた作品であるだけに、華やかな大団円フィナーレで締めくくっている。

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森繁久彌社長シリーズはこの時点で20作。設定は違うが、毎回ほぼ同じメンバーで同じようなストーリー。作る側はマンネリを危惧するであうし、一方で東宝では、植木等主演の『無責任』『日本一』シリーズ、クレージーキャッツの『作戦』シリーズがヒット。

映画界はやや斜陽化してきたが、まだまだ年間数十本の新作を配給していた時期だ。

そういう意味では、まだ余力がある段階で花道を選択し、クレージーにバトンを渡そう、という趣だったのではないだろうか。

だが、営業的な問題や配給館主とのしがらみなどから結局はシリーズ続行。

森繁久彌社長シリーズはこの時点で20作。設定は違うが、毎回ほぼ同じメンバーで同じようなストーリー。作る側はマンネリを危惧するであうし、一方で東宝では、植木等主演の『無責任』『日本一』シリーズ、クレージーキャッツの『作戦』シリーズがヒット。

映画界はやや斜陽化してきたが、まだまだ年間数十本の新作を配給していた時期だ。

そういう意味では、まだ余力がある段階で花道を選択し、クレージーにバトンを渡そう、という趣だったのではないだろうか。

だが、営業的な問題や配給館主とのしがらみなどから結局はシリーズ続行。

その後は、三木のり平とフランキー堺が降板し、小林桂樹も歳をとってきたため秘書課長にとどめておけず、重役に抜擢されるなど、微動だにしない従来の設定がかわってしまった。

さらに、映画界がはっきりと斜陽化し、東宝は制作部門の分社化と専属俳優の解雇を行うことになった。

また、1度華々しいフィナーレをやったのに続行した以上、「オオカミ少年」というわけではないが、また同じような華々しいおわり方はしにくい。

社長シリーズは、1970年の『続・社長学ABC』をもって本当に終了するが、同作は『続・社長紳士録』のような華々しいフィナーレはなく、また出演者もお馴染みの大部屋俳優がほとんど出演せず、森繁久彌、久慈あさみ夫妻には、いつも最低1人はいた子どもすらいない設定になっていた。

もっとも、東宝分社化という古き良き時代の終焉の直前までシリーズが続いたということで、映画史的には、東宝の黄金時代を最後まで支えたシリーズという見方もできる。

もし、社長シリーズが、64年の余力のあるうちに本当に終わっていたら、東宝の黄金時代はもっと早くに終焉していたかもしれない。

をとってきたため秘書課長にとどめておけず、重役に抜擢されるなど、微動だにしない従来の設定がかわってしまった。

さらに、映画界がはっきりと斜陽化し、東宝は制作部門の分社化と専属俳優の解雇を行うことになった。

また、1度華々しいフィナーレをやったのに続行した以上、「オオカミ少年」というわけではないが、また同じような華々しいおわり方はしにくい。

社長シリーズは、1970年の『続・社長学ABC』をもって本当に終了するが、同作は『続・社長紳士録』のような華々しいフィナーレはなく、また出演者もお馴染みの大部屋俳優がほとんど出演せず、森繁久彌、久慈あさみ夫妻には、いつも最低1人はいた子どもすらいない設定になっていた。

もっとも、東宝分社化という古き良き時代の終焉の直前までシリーズが続いたということで、映画史的には、東宝の黄金時代を最後まで支えたシリーズという見方もできる。

もし、社長シリーズが、64年の余力のあるうちに本当に終わっていたら、東宝の黄金時代はもっと早くに終焉していたかもしれない。

今回も芸を見せフィナーレは大団円

それはともかく、本作のストーリーを見ていこう。

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『社長紳士録』正編では、森繁久彌は大正製紙の常務であるところからスタートする。

同社社長(左卜全)の要請で、子会社の大正製袋社長に就任。

一緒に連れてきた小林桂樹秘書と、大正製袋の加東大介営業部長、三木のり平総務部長と合流して、いつものチームが出来上がる。

就任後の初仕事は、取引白紙をいわれた鹿児島・南国澱粉のフランキー堺社長との契約を何とか続行するよう奮闘。

途中、例によってライバル会社の赤羽製袋・河津清三郎社長も出てくるが、小林桂樹秘書と晴れて結婚した司葉子が鹿児島出身という設定で、“同郷”のよしみでフランキー堺と話をまとめてハッピーエンド。

マダムズは池内淳子と草笛光子。

そして続編である。

こちらは、いつものような契約自体の苦労はさほどなく、新潟の北越瓦斯・田崎潤重役と話をまとめる。

しかし、左卜全社長の後釜を巡る、森繁久彌社長と、中村伸郎大正製紙専務のつばぜり合いがあった。

マダムズは新珠三千代と草笛光子。

新珠三千代の芸者役は今回が初めてではないが、今回が最も芸者らしい。

合いの手だが歌にも参加するし、いわゆる小顔ではないから芸者かつらは今までつけなかったのに、今回はかつらをつけているのだ。


ね、綺麗でしょう

この作品は、役者が単純にセリフを読んで演技するだけでなく、芸を見せるところが値打ちものである。

京塚昌子といえば、三木のり平との掛け合いがまた見どころだ。

「関取みたいだ」とか、「それで相撲の解説でもしてんだろう」「どいてくれよ、向こうが見えないから」など、いくら酒の上とはいえ、セクハラ連発であるが、京塚昌子は全く意に介さない。

イジられるし芸も見せる。

こんなイキイキした京塚昌子もそうそう見たことはない。

京塚昌子というと、どうしても『肝っ玉かあさん』のイメージが強く、日本のお母さんとしてのキャラクターを求められてしまいそうだ。

が、藤岡琢也にしてもそうだが、本来この人たちは「ちょいワル」である。

石井ふく子の世界で善人を演じるだけではもったいない役者なのだ。

ストーリーに戻ると、森繁久彌社長は、中村伸郎専務が就任すると見られた大正製紙社長に就任。

海外視察のお見送りパーティーという設定で、最後のシーンは、主演の森繁久彌が、藤本真澄プロデューサー、笠原良三、千葉泰樹、青柳信雄、杉江敏男、松林宗恵ら脚本・監督陣がカメオ出演して握手。

シリーズに出演した俳優陣も正装して蛍の光を歌って森繁久彌・久慈あさみ夫妻を送り出すなど、東宝黄金期を支えた人気シリーズを、大団円で見送ったのだ。

東宝 昭和の爆笑喜劇DVDマガジン 2014年 9/9号 [分冊百科]

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/08/26
  • メディア: 雑誌

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