今日は、水原弘さん(1935年11月1日~1978年7月5日)の47回忌です。『黒い花びら』『君こそわが命』『へんな女』など、抜群の歌唱力でヒット曲の実績もありますが、破天荒で無頼漢を気取った豪放磊落な生き方が周囲の誤解を招いた面は否めませんでした。(画像はレコードジャケットより)
一昨日の、荻昌弘さんが37回忌で、水原弘さんが47回忌。
いったいいつまで年忌法要ってあるんだい? って思われますか。
3と7の付くとしが50まで。例外として真ん中に25回忌があります。
今は、33回忌で弔い上げが多いですね。
いちいち親類を呼んでたら、親類も迷惑でしょうから、東京はせいぜい1周忌でおしまいかな。
というわけで、水原弘さんも、残すは50回忌だけになったんですね。
水原弘。おそらく若い人にはわからない名前でしょうが、顔はご存知かもしれません。
何しろ、いまだに50年以上前のアース製薬のホーロー看板は、地方に残っていますね。由美かおるさんも若い。
水原弘さんは、以前もご紹介したことがありますが、あとは50回忌しか残っていないので、今日は違う楽曲も含めてご紹介しましょう。
“無頼”のイメージ貫く
水原弘さんは、東京府東京市深川区(現在の東京都江東区)の出身です。
東京都立赤坂高等学校2年の時に、文化放送主催の『素人ジャズ喉自慢』に優勝。
その後活動していたジャズ喫茶で渡邊美佐さんにスカウトされ、芸能界入り
渡邊美佐さんというのは、坂本九さんやジェリー藤尾さんが所属したマナセプロの社長夫妻の長女であり、渡辺プロダクションの副社長であることは有名ですね。
ちなみに、マナセプロダクションの社長・曲直瀬道枝さんは実妹です。
水原弘はマナセプロに所属。
低迷していた時期は渡辺プロに所属したこともあったようです。
水原弘は、ジャズ喫茶から、独特の風貌・歌唱力によって『黒い花びら』で衝撃的な登場。
その後は「スター気質」が抜けず、その豪遊のツケで体を壊し、さらに借金返済のための激務。
いったんは『君こそわが命』でカムバックしたものの、結局早逝した、といわれています。
生来の酒好きが災いし、宿泊先の北九州市の健和総合病院で肝硬変(食道静脈瘤破裂とも)のため42歳の若さで逝去。
水原弘伝である『黒い花びら』(村松友視著、河出書房新社)によると、勝新太郎さんと知り合って「スター気質」を影響されてから、付き合いもない人の勘定まで面倒見て、一晩に大金を使う飲み方をするようになった。
俳優としてコンプレックスを抱えていても、三味線という芸がある勝新太郎に比べ、ヒット曲を出し続けなければ存在価値がない「流行歌手」の水原弘の方が、余裕がなくスターとして振る舞い続けなければならなかったと村松友視さんは見ています。
天衣無縫の勝新太郎も、実は俳優として悩んでいたんですね。
村松友視は、水原弘は破滅して短命だったけれども、「自分のステージの上における“無頼”のイメージに、ステージを降りた後も責任をとった芸人だった」と、その生き方を否定していません。
要するに、カメラが回っていなくても、キャラクターとして豪快な「水原弘」でありづつけたというのです。
貧乏を売り物にしながら、実はリアルでは蓄財しているタレントなんてたくさんいます。
もちろんそういう人たちも生活があるから否定はしませんが、少なくとも水原弘について、古き良き時代の芸能人の豪快な生き方を、命までかけて(無頼として)愚直に生きるという生き様を貫いたことを理解したいというのが、村松友視さんの意見です。
でも、その勝新太郎さんとか、横山やすしさんとか、カメラが回っていなくても、キャラクターを守り続けた人たちは、みなさん短命ですしね。
それがいいかどうかは、私には一概にはいえないですね。
愛の渚
#渚の日#好きな曲を貼る
「愛の渚」 水原弘https://t.co/J79SMELRDS今週の仕事終了。
大好きなお水の歌聴きながら帰ろう。 pic.twitter.com/dZIZUK83hg— ゑビスコ (@futorisugi901) July 3, 2021
【A面タイトル】愛の渚
【B面タイトル】スイッチョ小唄
【歌手名】水原弘
【作詞者】A面:浜口庫之助 B面:浜口庫之助
【作曲・編曲者】A面:小野崎孝輔(編曲:小野崎孝輔) B面:小野崎孝輔(編曲:緒尾崎孝輔)
【レコード会社】東芝レコード
【リリース年月日】1967年11月5日
(『不幸なスター・レコジャケ・厳選100人OTAKARAファイル』より)
ほかには、こんなヒット曲があります。
#東芝レコードヒット選
「黒い花びら」水原弘 1959中村八大作曲、永六輔作詞。第1回レコード大賞受賞。
曲の出来は勿論、歌唱・演奏・コーラスとも完璧な仕上がり。純国産の激しいロカビリー名曲もなかなか生み出せなかった我が国で、一足先に誕生した極上の三連R&B。https://t.co/4pdKAc9HY6 pic.twitter.com/S1V4YPg2qn— Hello George (feel free to chat in English) (@ryochikun22) May 6, 2020
へんな女 by 水原弘 pic.twitter.com/huOkwzLoBe
— 摩訶レコードbot (@jyake_ten_bot) June 29, 2020
ぼくの履歴書/水原弘
君こそわが命でカムバックした頃。週刊明星67.7.2 pic.twitter.com/e5DBcqVHUi— 平尾とロック (@qifCb833QRMlzKg) October 11, 2022
このへんは、以前もご紹介したので今回は割愛します。
50代以下の方は、たぶん冒頭のホーロー看板は見たことあっても、「これだれ?」と思われるのではないでしょうか。
水原弘さん。ご存知でしたか。
以上、水原弘さん(1935年11月1日~1978年7月5日)は『黒い花びら』『君こそわが命』『へんな女』など、ヒット曲の実績と豪放磊落な生き方、でした。
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