今日は宮内淳さん(1950年5月28日~2020年8月14日)の命日です。人気刑事ドラマ『太陽にほえろ!』の田口刑事(ボン)役を3年9ヶ月つとめ一躍人気者に。“殉職”後はやはり岡田晋吉プロデューサーのドラマ『あさひが丘の大統領』で大西元(ハンソク)役を演じました。(文中敬称略)
愛媛県伊予郡松前町出身の宮内淳は、西南学院大学を中退後、いくつかの劇団を渡り歩き、文学座附属演劇研究所に入所します。
そして卒業の年(1975年)に、『太陽にほえろ!』の田口刑事、通称ボン刑事役に抜擢。
一躍人気者となりました。
その人気ぶりは、予定されていた殉職が、ファンの嘆願により2度も引き伸ばされるほどでした。
彼は新人刑事役として4年近く在籍しました。
続いて出演した、テレビドラマ『あさひが丘の大統領』では、熱血ではない型破り教師・“ハンソク”こと大西先生役を演じて話題を集めました。
その他、人形劇団や児童演劇活動などでも活躍し、環境問題の啓発活動にも力を入れていました。
2020年8月14日に直腸がんにより70歳で亡くなりました。
Copilotに代表作を尋ねました。
代表作には以下のものがあります:
– 映画『悪魔が来りて笛を吹く』
– テレビドラマ『太陽にほえろ!』
– テレビドラマ『あさひが丘の大統領』
– テレビドラマ『キャンパスアクション・探偵同盟』
やはり、『太陽にほえろ!』がいちばん馴染みがあるでしょうか。
太陽にほえろ!
7月13日『太陽にほえろ!』ボン(宮内淳)殉職日(=マカロニも同日)ということで、宮内さんが心境を語っている記事2種。写真は名場面集より。
女性を助けようと、血を流しながら必死に電話ボックスへ近づいていくシーン。初めて観たとき、涙で曇って見えなかった…。 pic.twitter.com/pNw2K3qbWv
— 昭和太郎 (@RS3526) July 13, 2019
『太陽にほえろ!』(1972年7月21日~1986年11月14日、東宝/NTV)は、昭和40~60年代に渡って放送された、金曜20時の人気刑事ドラマです。
その枠はもともと、日本プロレス中継を放送していましたが、トラブルで急遽打ち切り。
その9週間後から、慌てて放送されたのが『太陽にほえろ!』です。
急ごしらえである上に、主演に予定された石原裕次郎が、当初自分が映画俳優であることからテレビドラマの出演自体に難色を示し、とても718回も続く人気ドラマになるとは思えませんでした。
それを盛り返したのは、旧来のような事件解決のみの直線的なストーリーではなく、若いマカロニ刑事(萩原健一)が、ボス(石原裕次郎)とぶつかりながら成長していく人間ドラマとして描かれたからだと思います。
しかも、萩原健一、松田優作と、立て続けに若い刑事が劇中に殉職するのもインパクトが有りました。
その『太陽にほえろ!』で、4人目の若い刑事、田口良(通称・ボン)刑事に抜擢されたのが宮内淳でした。
3年9ヶ月演じて人気ものになったところで本作を卒業。
昭和54年7月13日、太陽にほえろ!第363話「13日金曜日ボン最期の日」放送40周年。画像は名古屋タイムズ昭和54年7月11日の紙面に掲載された番組紹介記事。宮内淳のコメント有り。 #今日は何の日 pic.twitter.com/xZ9T8TwbAy
— マカロニマカ男【コミケ1日目(日) 東ル45a】 (@makaroni1986) July 13, 2019
面倒見のいい岡田晋吉プロデューサーは、次回作として、日本テレビお得意の青春学園ドラマに起用します。
あさひが丘の大統領
ラグビー人気で『スクールウォーズ』が再度注目されてるが、79年10月17日放送開始の『あさひが丘の大統領』もラグビー部です。#40年前の今日 pic.twitter.com/ckW97S1J9t
— 三楽 (@sanraku0105) October 16, 2019
岡田晋吉プロデューサーが手掛けた、夏木陽介主演の『青春とはなんだ』(1965年10月24日~1966年11月13日、テアトル・プロ、東宝/NTV)以来続いた青春学園ドラマの10作目で、結果的に最終作品となったのが、宮内淳主演の『あさひが丘の大統領』(1979年10月17日~1980年9月17日、ユニオン映画/NTV)です。
これまでは、キャラクターこそ違えど、いわゆる熱血教師が主人公でしたが、宮内淳演じる大西元ことハンソク先生は、それとは180度違います。
かつては「あさひが丘学園」の留年生でしたが、小料理屋を営む母親(藤間紫)が、彼女に好意をもって店に通っている現校長(宍戸錠)をうまく丸め込んで、同校の教員として採用させてしまいます。
しかし、授業はいつもテスト(自分が教えなくていい)、寮で生徒たちが楽しみにしている食材は全部食べてしまう、女子生徒のシャワー室を覗くなど、生徒以上の素行不良。
それを苦々しく思っているのが、まるで教育雑誌を暗記して実践しているような教条的なタックル先生(片平なぎさ)です。
しかし、ハンソク先生は、自分も落ちこぼれで素行不良だっただけに、それにあたる生徒たちの気持ちはよくわかり、ややもすると意気込みが空回りするタックル先生とは対象的に、彼らには好きにさせて自分で考えさせるスタンスを取ります。
そうしているうちに、だんだん生徒たち(井上純一ら)はハンソク先生を慕うようになり、ハンソク先生も人として成長。
タックル先生はそのたびに、「私がこれだけ一所懸命やってるのにどうして」と、やきもちを焼くという話です。
1970年代前半は、自分で教材を作る「ガリ版先生」などもいて活気があった教育現場も、少しずつ暗くなる頃で、明るく楽しい学園ドラマも時代的役割を終える頃でしたから、続編は作られませんでした。
3作品も作ってもらって、青春スターとしてのキャラクターが確立した中村雅俊に比べると、ちょっと不運だったかもしれませんね。
探偵同盟
【参考資料】
アルバム「たそがれに愛をみかけて」リリース(1981年)の年に出演のTVドラマはコチラ『キャンパス・アクション 探偵同盟』〔フジテレビ〕#歌謡選抜 #宮内淳 pic.twitter.com/xGidQzYJwm
— しがない三四郎 (@shinya_bokudake) March 29, 2020
『探偵同盟』(1981年1月8日~1981年3月26日、CX)は、聖ヨーク大学の探偵クラブ(顧問役が加山雄三、学生役が宮内淳など)の面々が、事件をコメディタッチで解決するストーリーです。
個人的にこのドラマは面白いと思いましたが、なぜか、宮内淳のレギュラードラマの出演はこれが最後になり、以後は単発のテレビ出演すらほとんどなくなりました。
2008年頃、日刊ゲンダイの「あの人は今こうしている」では、1982年から影絵劇団「かしの樹」を主宰し、子どもたちにボランティアで芝居を教えていると書かれていたので、私は長男を面倒見てもらおうと連絡したことがありましたが、「教えてはいない」との回答でした。
そこは不可解だったのですが、その後も「日本の伝統文化の普及を通して和の精神を世界に広める活動に力を入れている」(Wikiより)そうで、俳優とは別のフィールドで活躍していたようです。
宮内淳さん、覚えておられますか。
太陽にほえろ! スコッチ&ボン編II DVD-BOX – 沖雅也, 石原裕次郎, 宮内淳, 露口茂, 竜雷太, 小野寺昭, 下川辰平, 沖雅也
あさひが丘の大統領DVD-BOX(9枚組) – 宮内淳, 片平なぎさ, 秋野太作, 金沢碧, 土屋統吾郎, 佐藤重直, 馬越彦弥, 鎌田敏夫, 畑嶺命, 大原豊, 宮内淳